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オーディオショップ『試聴屋』オーナーが個人的な日記を書いています。
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SCA-7511Mk3 ビッグトランス実験
SCA-7511Mk3-BigTrans.jpg
SCA-7511Mk3にビッグトランスをつないでみる

SCA-7511Mk3はSATRIの最新回路を搭載した小型アンプです。SATRI-IC-SP、V5.1、V8、V9、V11.4相当の回路が標準で入っています。そのおかげでとても透明感があり、冴えた音がします。このまま使っていても大きな不満はないですが、小型アンプなのでそれに合わせて電源トランスも小型なものが搭載されています。

これを大型トランスにしたらどういう音になるか実験してみました。用意した電源トランスは、600VAの容量を持ったものです。SATRIアンプで言えばAMP-5513クラスの電源トランスに相当します。DACからバランスの電流出力を出して、それを2台のSCA-7511Mk3に入れます。電源を入れる前にあらかじめ大型電源トランスを本体につないでおきます。SCA-7511Mk3の電源トランスと電源基板の間はソケット接続になっているので、大型電源トランスの先にプラグを取り付けておけば簡単に元の電源トランスと比較することができます。

大型電源トランスに替えるとノイズ感が減ってよりクリアになります。中域から下が厚くなってしっかりした音になります。容量が増えても電源電圧が同じなので出力が増えるわけではありませんが、余裕のある音になるだけでも替えるだけの価値はあります。さらに良くするには電源の電解コンデンサの容量を大幅に増やせばいいのですが、こちらはそう簡単に差し替えるわけにはいかないので今回はやりませんでした。でも効果があるのは出川式電源などで確認していますので、電源ケースを別に用意してそれに大型電源トランスと大量の電解コンデンサを載せれば一段上の音に変わるはずです。いじれる方は実験してみてはいかがでしょうか。
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PRE-7610Mk3+SHP-5516Mシステム

PRE-7610Mk3+SHP-5516M.jpg 


先日PRE-7610Mk3とSHP-5516M x 2台を導入されたお客様から試聴記をいただきましたのでご紹介します。写真は試聴屋に入荷したときに音出し確認をするために箱から出したときの様子です。写真では小さく見えますが実物はでかいです。

新しい録音のSACD対応プレーヤ専用ディスクであるサロネン指揮のロスアンゼルス・フィルの「春の祭典」などを聴きましたが、やはり大変自然で、低音も高音も十分出ており、新しい録音の威力を十分引き出していました。SATRIにより音楽そのものが楽しめる、そういう意味では生演奏により近い再生ができていると思います。

一方、1955年録音のハイフェッツ、ミュンシュ指揮ボストン響のベートーヴェンV協ですが、音の古さはいなめないものの、やはり音は自然で、演奏の気迫、その場の空気のようなものが生々しく再現されるのに驚きました。先日のフルトヴェングラー同様、音の古さを超えて演奏/音楽に没頭できます。何故自然に聴こえるのかですが、とにかく音が団子になってヒステリックにならないで、非常によく音を分解しており、それらが合わさって合奏になっているため、旧い録音を大音量で再生しても、歪っぽくなく、柔らかい自然さが出ていると思います。ここがSATRIの大変優れた点と思います。

旧い録音を再生したとき、最初は、粗さ、雑味を感じるのですが再生しているうちに、その嫌な音を修正して行くように感じます。と言って、情報量がなくなるのではなくて、音楽上の歪音のみを修正して「より音楽的な音にする」というような感じです。こんなことが技術的に可能とは思えないのですが、聴感上は確かにこのようになっています。小さな音で再生しているうちに段々音量が大きくなってくるように感じるのと同様の喜ばしい不思議さです。

 

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AMP-5513Mk3プロトタイプ(6)
AMP-5513Mk3プロトを試聴したお客様から試聴記掲載の許可をいただきましたのでご紹介します。
新しいSATRIアンプのすごさが感じられる試聴記です。



大阪のE.M様より

バクーンプロダクツのスタッフの皆様
MLメンバーの皆様

こんばんは。寒くなってきましたね。

AMP-5513MK3のプロトタイプの試聴記をご連絡いたします。

この7月にSCA-7511MK3のプロトタイプも試聴させていただいているのですが、その時の印象とは全く次元の違うインパクトを今回は受けました。

もうとっくに夏は通り雨と一緒に連れ立って行ってしまい、冬の入口を予感させる季節になってきましたが(←不要な前ふりや!)、はっぴいえんどの『風街ろまん』の「夏なんです」からスタートです。今まで聴こえなかった数々の音が背後に聴こえます。それに耳が吸い寄せられて、ボーカルに注意が向きません。アーティストとエンジニアが表現したかったことを、今までは完全には聴き取れていなかったことがわかります。「抱きしめたい」では、今まであまり気がつかなかったバッキングのギターがやたらと前に出てきます。ドラムとベースは引き締まり、音程が明瞭になります。

山崎ハコのファーストアルバムから「さすらい」を聴いてみます。ボーカルとあらゆる楽器の実在感が増し、今まで気がつかなかったギターやピアノの高域の共振音(チーン、ツッ、コツン等々)があからさまになります。ウッドベースの芯が明瞭になり、今までバックロードホーンのくせだと思っていた“もの”が影をひそめます。

菅野録音に入ります。宮沢明子の『ショパン 夜想曲選集』のB面1と2を立て続けに聴きます。今まで気がつかなかった(←やたら繰り返していますが、この言葉がキーのようです。)高域の共振音が“ものすごい”です。菅野氏はモニタールームでここまでイメージしていたのでしょうか?これを聴いてしまうと、今まではちゃんと聴けてなかったと感じざるをえません。嶋護氏がその著書『菅野レコーディングバイブル』のある頁で、“デモーニッシュ”という言葉を使っていますが、その言葉を思い浮かべました。

長岡A級ディスクに移ります。のっけからパニアグワで攻めます。『アラブアンダルシアの音楽』のA面を一気に聴き通さずにはいられませんでした。楽器の実在感が気持ち悪い程です。少し前にSP-10MK2のターンテーブルをステンレスの無垢品に交換しています。それとの相乗効果でしょうか、長岡氏がどこかで“頭がおかしくなる”と表現したようなレベルが今、目の前で再現されているかのようです。最後の曲の水の音で、今回初めて水たまりの水面の波打つ様子が頭に浮かんで来ました。

このまま延々続けても仕方ないので締めますが、もうこれは当方現用のAMP-5512(V8.1/SPV1.0/V10)とは違うシロモノです。

僕は今までそんなにハイエンドのアンプやシステムを自宅で聴いたことがないので、これはあくまで僕個人のシステムとの組み合わせの、僕個人の感想にすぎません。参考までに僕の現用機器を以下に記載します。僕と似たようなシステムで、似たような音楽を聴いている方がいらっしゃいましたら、是非試聴されることをお勧めします。

SP:長岡式バックロードホーンD-37改(FE-168ES & JA-0506MK2)
AMP:AMP-5512(V8.1/SPV1.0/V10)
PLAYER:SP-10MK2(ステンレスTT & 砲金TT SHEET)
TONE ARM:SAEC WE-407/23(ULS-3X & スタビライザー)
CARTRIDGE:AT-OC9ML/Ⅱ

以上、いつもながらこのような貴重な機会をいただき、バクーンプロダクツのスタッフの皆様には本当に感謝いたします。ありがとうございました。今後のオーディオライフの指標にさせていただきたいと存じます。
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AMP-5513Mk3プロトタイプ(5)
AMP-5513Mk3protoWithATT.jpg
AMP-5513Mk3プロトにアッテネータを入れてみる

AMP-5513Mk3プロトにはボリュームが付いているのでアッテネータに交換してみました。ボリュームとアッテネータの違いを確認するためです。これまでの試聴ではボリュームとアッテネータでは、当然アッテネータの方が音が良かったですが、V11が搭載されたSATRIアンプではどれくらい違うのかまだ確認していませんでした。

というのはバクーンによると、新しいV11とV8の搭載によって、従来のSATRIアンプよりも「部品による音の変化が小さくなっている」ということを聞いているからです。V11は終段BIASの固定化(V6相当の回路)と、上下の石に流す電流を独立させることによって終段が電源変動によって振られないように制御しています。このようなことをしているメーカーはまだどこにもありません。バクーンが世界初です。実際に音を聴いてみると、アンプの音が機種ごとに違う大きな原因の1つがここにあったと思わせられます。AMP-5513Mk3ではこのV11.5が搭載されていますので最新の音になっています。

ただ、実際に聴き比べてみると、最新の回路であってもやはりボリュームよりアッテネータにしたほうが透明感のある音が出ます。SHP-5516Mプロトを試聴したときは、ボリュームのままでも鮮度の高い音が出ていましたので、AMP-5513Mk3とはその点が違いますが、アッテネータを入れることで、価格的に倍のSHP-5516Mに近づくのであれば、AMP-5513Mk3のほうがかなりお得に思えます。実際、昨日比較したAMP-5513-SPとはかなり違いましたので、従来のSATRIアンプユーザーが新しいASTRIアンプに入れ替えると大きく音が変わるはずです。新鮮な体験になることは間違いないでしょう。
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AMP-5513Mk3プロトタイプ(4)
AMP-5513Mk3proto.jpg
AMP-5513Mk3プロト(上)とAMP-5513-SP(下)


SATRI V11.5を載せた最高級モデルSHP-5516Mは、細かい情報量の多さと中低音のしっかりした音のバランスが見事に取れた音でした。AMP-5513Mk3(プロト)もそれに似ています。旧タイプのAMP-5513-SPがあるのでそれと比べてみました。

写真の通り、サイズも形も同じです。AMP-5513Mk3はまだ正面パネルがないのでその点が違います。パネルは、SCA-7511Mk3などと同じく光沢のあるブラックカラーになるので印象はだいぶ違ってくると思います。V11搭載のSATRIアンプを聞き始めてからだいぶたち、新しいSATRIアンプの音にすっかり慣れてしまっているせいか、旧型のAMP-5513-SPの音はなつかしさを感じさせます。優しい音で、中低音の量感があり、中高域は優しさを感じさせます。反面、重低音と高域の高いところはあまり出てきません。よくできた真空管アンプのような印象です。

それに対してAMP-5513Mk3プロトは、明らかにワイドレンジで中域が出っ張ることはなく、中低音も膨らみません。それより下の低音から重低音にかけてしっかり出てきます。さすがにこれだけ違うと今までのSATRIアンプのイメージが大幅に変わってしまいます。去年までのSATRIアンプをお使いの方は、もうかなり違う音になってしまっていると思っていただいたほうが良いです。いかにも現代的で、一掃癖が少なくなり、ソースの音をよく出す音になっています。

SCA-7511Mk3も同じ傾向ですが、こちらは電源が小さいため、低域の押し出しが少し弱いです。でもそれ以外はV11.4の特徴をそのまま出してきます。今までのSATRIアンプの中で最もよく細かい音が良く出ますし、発熱も少なく、小型なので置き場所に困りません。スピーカー出力と同じクオリティの音がヘッドホン端子から出てきますので、高性能ヘッドホンアンプとしてもお勧めできます。小型、コンパクトでこれだけ音が良いアンプはなかなかありません。
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AMP-5513Mk3プロトタイプ(3)
AMP-5513Mk3.jpg
AMP-5513Mk3(プロト)

AMP-5513Mk3のプロトが来ました。8/25の写真と比較していただくとわかりますが、内部はSHP-5516プロトにそっくりです。SHP-5516プロトのときはヒートシンクが大きすぎたため蓋はありませんでしたが、今回は蓋も付いてきました(内部を見るために一時的に開けてあります)。

サイズはAMP-5513-SPと同じです。完成品のSHP-5516と比べると形が違います。

SHP-5516.jpg
SHP-5516(MONO)

SHP-5516はモノなのでヒートシンクが片側のみです。AMP-5513Mk3の正面パネルもこれと同じ黒の光沢付き仕上げになるはずです。

AMP-5513Mk3はまだ届いたばかりでじっくり聴いていませんが、「SHP-5516Mほど超精密ではないけれども、強靭な低音域の再生はV11を搭載したアンプに共通している。」というメーカーの評価と同じ印象です。明日はもう少しじっくり聴いてみます。
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AMP-5513Mk3プロトタイプ(2)
AMP-5513Mk3の仕様と値段がわかりましたのでお知らせします。

AMP-5513Mk3仕様
V11.5搭載
50W+50Wステレオ
\635,000(VRタイプ、税込)

ステレオで50Wと使いやすく、最新回路が搭載されて、最高仕様のSHP-5516Mより価格的に買いやすくなりました。

バクーンの説明では、

「SHP-5516MとAMP-5513Mk3の違いは、出力段がQUADプッシュプルではなくダブルプッシュプルになっている点です。ダブルプッシュプルのままでも精度を確保するために、ドライバー段の出力インピーダンスを下げています」

ということです。

ここでちょっと誤解されやすいので補足しますと、V11が搭載された最近のアンプはどれも出力の石はシングルです(パラプッシュやQUADプッシュではありません)。SHP-5516Mはバイポーラのシングル、SCA-7511Mk3はFETのシングル出力になっています。メーカーがQUADプッシュプルとかダブルプッシュプルと言っている部分は、正確には「出力の前段駆動部分」です。つまりV8.Xの部分です。この部分の改良+V11.Xの相乗効果で、今までのSATRIアンプでは出なかった音が出るようになったと理解したほうが良いです。そのため、V11搭載以前のSATRIアンプにV11を搭載するように改造しても今の製品と同じ音にはなりません。同じ音にするには最新のV8もいっしょに搭載しないといけなくなりますが、ここまでやると改造規模が大きくなりすぎるため、メーカーとしては新しい製品に買い換えてもらったほうが楽になります。

バクーンによると、AMP-5513Mk3の音は、

「SHP-5516Mほど超精密ではないけれども、強靭な低音域の再生はV11を搭載したアンプに共通している。」

とのことです。電源とV8部分の違いによる差が出てしまうのはしかたがないですが、直接比較しない限りその差はわからないので気にしなくても良いでしょう。この感想は標準のボリュームを使った場合ですが、最新回路を搭載したSATRIアンプでもボリュームと抵抗アッテネータの差はきちんと出ます。当然アッテネータを搭載した方がよりクリアーな音になります。コストパフォーマンスを考えればSHP-5516Mをボリュームで鳴らすより、AMP-5513Mk3に高級アッテネータを搭載して鳴らしたほうが安く良い音が聴けると思います。

お客様の立場から見ると、今使っているアンプとAMP-5513Mk3の違いはかなり大きいはずですので、ボリュームのままでもかなり満足できるのではないかと思います。小型のSCA-7511Mk3でさえ精密感のある音と、音の輪郭がわかる低音の出方は共通しています。

新しいV8+V11は、昔のシンプルな構成のSATRIアンプと比べると回路が倍以上に膨らんでいますし、回路そのものもだいぶ複雑になりましたが、バクーンでは、電圧と電流の分離を行うことで、さらに精度の向上を図ることができたと言っています。

AMP-5513Mk3の製品出荷スケジュールですが、第一ロットはプロトができた時点で既に予約で完売だそうです。先に海外向けに押さえられてしまったようです。バクーン製品は最近海外でも知られるようになってきたせいか日本より人気です。海外はSATRIアンプが紹介されてからまだ日が浅いので、日本より衝撃が大きく迎えられているようです。ということで、国内向けの供給は第二ロットからになります。次のロットができるには最低でも1~1.5ヶ月くらいはかかりますので、早く欲しい方は早めに予約していただいたほうが良いです。そうでないとかなり待たされてしまいます。
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AMP-5513Mk3プロト(1)
AMP-5513Mk3のプロトタイプができたというニュースが入ってきました。
詳細は一切不明、値段も不明です。写真もまだありません。

音も聴いていない段階で何を言ってもしかたがないですが、SCA-7511Mk3やSHP-5516を聴いていますので、大体の想像はつきます。前のモデルのAMP-5513-SPが\530,000~\646,000(アッテネータ付き)でしたので、新しい回路を搭載して回路規模が大きくなる分を考えると、これより少し高いくらいになると予想します。

アンプの位置付けとしては最低価格のSCA-7511Mk3と、最高価格のSHP-5516Mの中間になりますので、仕様も大体これらの中間になるはずです。AMP-5513-SPはA級35Wでしたが、V11.4搭載のA級駆動は放熱が厳しいのでAB級になるはずです。出力はバイアスを調整したとしても35W~50W程度でしょう。

大体の感じとしてはSHP-5516プロトタイプ(STEREO仕様)に近い規模になると思います。
価格から見てSHP-5516の回路を一部簡素化するなどして部品点数を少なくしたものになると予想します。

SHP-5516プロトの音は見事でしたので、それが再現できていれば「買い」ですが、こればかりは聴いてみるまでわかりません。試聴できた段階でまたレポートさせていただきます。

それにしても、V11を搭載するようになってからのSATRIアンプはどれを聴いても目が覚めるような解像度の高い音で、A級かAB級かというような違いは以前のモデルほど気にならなくなりました。価格によって違いが出やすいのは電源です。電源が小型か大型かは、中音から下の音の厚みの差となって聞こえます。もちろん電源は大型のほうが良いですが、大型電源を搭載すると価格が高くなってしまうのがつらいところです。今回のAMP-5513Mk3は前のモデルと同じ規模の電源が搭載されているはずですから、しっかりした電源と、出力がもの足りないということもなく、メインとして本気で使えるアンプになっていると思います。

AMP-5513Mk3が早く欲しい方は予約を入れていただければ確保させていただきますのでご連絡下さい。
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SHP-5516プロト試聴
SHP-5516proto.jpg
SHP-5516プロト

SHP-5516と言ってもどういう位置付けのアンプかわかりにくいと思いますのでちょっと背景を説明します。既に発売中のSCA-7511Mk3に搭載されているSATRI V11.4という回路がありますが、その回路を搭載した2機種めのアンプです。


SATRI V11.4というのは何か?と言うと、SATRI回路の終段を改良して、SATRI-ICと同じように電源電圧の変動があっても回路の動作が揺らがないような対策をした終段回路です。バクーンのホームページにも概念図がありますが、終段のFETやトランジスタにかかるBIASを固定化し、さらにPch/Nchにかかる電源を独立化させています。このような回路は市販アンプではどこもやっていないと思います。これらの改良は言うのは簡単ですが、実際にやるのは難しいという技術でして、開発に約1年かかっています。BIASの固定化はV6.2という回路で既に実現していましたが、V11はSHP-5515Mで最初に搭載された回路です。V11のときは純A級でないと動かなかったですが、V11.4になってAB級で使えるように改良されたため、新しい製品化のめどが立ったということのようです。


SHP-5516は、SHP-5515Mの後継機に当たります。今回の試作機はステレオですが、製品はモノラル 2台構成になります。価格は2台で120万円とハイエンド価格ですが、音を聴いてみるとそれだけの価値があることがわかります。


SATRI V11.4が搭載されたSCA-7511Mk3の音は既に聴いていますので、それに似た音だろうと予想していましたが、予想をはるかに超えた音でした。電源トランスの大きさからして違いますので当然ですが、強力な低域のドライブ力です。それも、今まで聴いてきたどのアンプの低音とも違い、制動がしっかり効いた低音です。AMP-5513がこのアンプに近いサイズですが、AMP-5513の低音は中音から下が量感たっぷりに出るものの、少しキレがありません。それに対してSHP-5513は低音の輪郭がわかるようにくっきりとした低音です。試聴で使っているウッドコーンウーハーは元々低音がたっぷり出るのですが、SHP-5516では低音が出過ぎないようにうまく制動がかかっています。ウッドコーンウーハーがこういう鳴り方をしたのは初めてです。


高域は細かい音が良く出ます。これもV11.4の特徴です。SCA-7511Mk3と共通しています。中域は太すぎず細過ぎずちょうど良い質感です。SCA-7511Mk3はきれいですが少し細めになります。この辺はやはり電源の違いでしょうか。


全体を通して聴いた感想は「今までのSATRIアンプの音を超えたな」と感じました。出力は100Wと余裕があるので能率の低いスピーカーでも大丈夫です。通常の音量でも余裕のある鳴り方です。値段が値段ですので全ての方にSHP-5516をお勧めするわけにはいきませんが、分割なら買えるという方には是非お勧めしたいアンプです。MLでは既にこのプロトを試聴して音に感激し、予約注文を入れている方もいらっしゃいます。


予算的に厳しい場合はSCA-7511Mk3をお勧めします。今回のSHP-5516と並べて比較すれば差はありますが、最新回路を搭載したSATRIアンプは充分なクオリティを持っていますので、通常の音量で使われる方には充分ご満足いただけると思います。


どちらの機種も、今まで開発してきたSATRI回路をふんだんに取り入れています。SATRI-IC-SPにV5.1、V8、V9、V11.4は標準搭載です。何より音質が刷新されて新世代の音になったと感じます。SCA-7511Mk3以前のSATTRIアンプはもはや旧世代の音になってしまったと感じました。
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SATRI-V11.1基板
SATRI-V11_1board.jpg
SATRI-V11.1基板

バクーンからSATRI-V11.1基板が出ました。これで他のSATRIアンプもV11が搭載できるようになりましたが、搭載するにあたっていろいろ問題があって、簡単にどのモデルにも乗せられるというわけにはいかないようです。


1つはサイズの問題です。部品の大きさから大体のサイズがわかると思いますが、これ、モノラル基板です。ステレオアンプに入れるには2枚使わないといけないですが、この基板を2枚入れるスペースが取れないと組み込めません。


2番目は熱の問題です。SATRI-V11.1は、終段バッファに供給するBIAS電流を安定化する回路ですが、終段は一番電源を食う部分ですのでV11.1回路にも多くの電流が流れて熱が出ます。放熱させるにはヒートシンクに取り付ける必要がありますので、ヒートシンクの空き部分にこの基板が入らないと取り付けられません。


3番目は電源の問題です。V11.1は電源をけっこう使います。そのため、搭載されている電源トランスから、今まで使っていた電流の半分くらいの電流を奪います。そうするとアンプに供給する電流が不足してしまうので、片方のチャンネルを止めてモノラルにしないといけなくなります。V11.1用に別途電源を用意すればこのようなことをしなくても済みますが、けっこう大きな電源トランスと電解コンデンサユニットを使います。それらを別ケースに入れて組み立てるとなると、かなり高くついてしまいます。


4番目は組み込み費用の問題です。メーカーでは、モノラル基板 x 2枚と組み込み費用合計で20万円という価格を付けています。50万円以上のアンプに組み込むなら妥当な金額と思いますが、10万~20万円台のアンプに入れるにはちょっと割高に思えます。「本体と同じ、またはそれ以上の費用を払ってもV11.1を組み込む価値があるか」と言われると、ちょっと返答に困りますね。V11.1を入れた音は確かに正確になるので効果があることは間違いないですが、費用がかかり過ぎるとなるとやはり考えてしまいますね。


現在の機種の中で、組み込める機種はというと、AMP-5513とAMP-5511Mk2くらいです。AMP-5514もできそうですが、V10基板や出川式電源などが既に組み込まれていた場合は取り付けスペースがないのでダメということになりそうです。組み込める場合でも、AMP-5513はA級→AB級になりますし、AMP-5511Mk2とAMP-5514はステレオからモノラルになってしまうので、2台ないとステレオ用に使えません。


というわけで、いろいろと制限がありますが、自分が持っているSATRIアンプに何とか組み込んでみたいとお考えの方はご連絡ください。


それから、既存のSATRIアンプにV11.1を組み込むと高くなってしまうので、もっと安価に作れるSATRI回路にV11の基本回路を追加した基板ができないか検討中です。こちらも興味のある方はご連絡ください。今の段階では何も約束できませんが、欲しい方が大勢集まれば製品化できるかもしれません。
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新SATRI回路 SATRI-V11(3)
SATRIV11Circuit.jpg
SATRI-V11の概念回路

これがSATRI-V11の概念回路です。一般のアンプは左のSEPP回路が基本で、AB級出力を得ています。このままBIASを深く掛けるとA級アンプになります。SATRIアンプもつい数年前までこの回路でした。SATRI-V6.2という回路が2年くらい前に出ましたが、SEPPを改良する回路としてこのV6.2が最初に登場しました。SEPP回路はそれ自体長い間普通に使われてきた回路ですので、特にこの回路に問題があるとは考えられていませんでした。

SATRI-ICはこのSEPPより前の部分に使われていて、その部分の改良が一段落した後、この終段部分に注目して改良し始めたのがV6.2です。何をやっているかと言うと、両方のトランジスタにかかる電圧変動を安定化させようとする回路です。

SEPPではNチャンネルとPチャンネルトランジスタをいっしょにして電圧をかけていますが、Nチャンネルで波形のプラス側を増幅し、Pチャンネルでマイナス側の信号を増幅するとき、それぞれ交互に電流が消費されます。プラス側に電流が流れると電流がそちらに集中しますので、反対側のトランジスタのBIASがその影響を受けて変動します。マイナス側の電流が増えたときはプラス側のBIASが変動を受けます。電源が弱い場合はさらに変動が大きくなります。

BIASが変動すると何が問題かと言うと、BIASが変動すればするほどその影響で出力波形も歪むからです。

そこで、これらの変動が短時間で起こる点に注目して、短時間の変動についてはBIAS量を変えないようにした回路を追加したのがV6.2です。SATRI-V6.2は汎用のSEPPならどれにでも適用できますので、実はSATRIに限定した技術ではなく、多くの市販アンプに使える技術です。このことはほとんど知られていないと思います。ただ、実際に市販アンプを持ち込まれ、V6.2の取り付けを依頼されてもお引き受けできませんので、V6.2の音をお聞きになりたいときはどれかのSATRIアンプをお使いください。理由は、市販のアンプは基本がSEPPでも、別の付加回路が付いている可能性があるため、そのアンプの回路を調べるところから始めないと危ないからです。また、製造したメーカー以外で改造された場合、製造メーカーは保証しなくなります。このようなわけで、SATRIアンプ以外はV6.2改造を行わないことにしています。SATRIアンプでもV6.2が開発される以前の製品には搭載できないことがあります。現在販売されている製品にはほぼ全てV6.2が搭載されています。

ここから本題のSATRI-V11です。SATRI-V11はV6.2の概念を更に推し進めた発展型と言えます。基本的な考え方はV6.2と同じく、BIASがさらに変動しにくくなるようにするにはどうするかという方向で考案された回路です。

普通のSEPPがNチャンネル/Pチャンネルを両方ひとまとめにして電圧をかけているのに対し、SATRI-V11ではそれぞれ独立して電圧をかけるように変更し、さらに定電流回路を追加して、一方のトランジスタに大きな電流が流れても、もう一方のトランジスタにはその影響が及ばないようになっています。このようにすることで、電源変動に強くなり、お互いのトランジスタが相互に影響し合うことがなくなります。

私はこれまでのオーディオ経験から、「どういうところであれ、できるだけモノラル化した方が音が良くなる」と考えています。アンプならステレオアンプよりモノラルアンプのほうが左右チャンネルのクロストークが0になりますし、電源も左右で影響し合うことがないので好ましい結果になることが多いですし、スピーカーならウーハー、ツイーターそれぞれに対して1台のアンプをつなぐのが最も音が良くなります。今回のSATRI-V11も、トランジスタ1個に対して1個の電源を割り当てるという考え方が気に入りました。その結果、(どのような相互干渉かはよくわかりませんが)トランジスタ相互の影響が少なくなり、聞いただけではっきりわかる正確な増幅ができるようになったのではないかと思います。

それから、SEPPではトランジスタに音声信号とBIAS電流の両方が流れますが、これもBIASと音声信号が分離できるならその方が好ましいわけです。SATRI-V11ではその点も解決した(らしい)です。

さて、上のSATRI-V11の概念回路ですが、実際この通りに回路を組んでも動きません。これは概念を示したに過ぎないので、実際に意図した通りに動作させるにはもっとたくさんの付加回路が必要になります。SHP-5515Mの値段が高いのは、この付加回路の規模が大きいことと、定電流を作る回路も出力トランジスタなみに発熱するため、電源と放熱器を小さくすることができないからです。後は、モノラル構成にしたのでケースが2個になったなどの理由で、アンプを2台買うのと同じコストになってしまうということです。

でも、実際にモノラルアンプを聞くとSATRI-V11が入っていなくてもステレオアンプに比べて音が良くなるのがわかりますから、ステレオのSATRIアンプをお使いの方には、できればもう1台使ってモノラル x 2台の構成で鳴らしていただきたいなあと思います。そうすればもっと良い音が出ますので。


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新SATRI回路 SATRI-V11(2)

1つめの問題は使い方が微妙に違うところです。今までのSATRIアンプとだいぶ音が違うので、今までのSATRIアンプを差し替えただけでは音のバランスが取れないことがあります。新しい音なので、それに合わせてスピーカーの配置を再調整したりケーブルを最適なものに替えたりして合わせ込む必要があります。

2つめは、使うスピーカーによって印象が大きく変わりやすいところです。音出しに使ったスピーカーは、もうじき発売予定のスピーカー(試作品。右側のウッドコーンスピーカー)とCASTRONのバーチカルツインモニターです。写真にはありませんが、もう1つ、最新のマグネシウムコーンを使ったスピーカーでも鳴らしてみました。

これら4種類のスピーカーによってSHP-5515Mの印象が違いました。今までのSATRIアンプでも当然差はわかるのですが、SHP-5515Mだと音の正確さのためか、その差がもっとはっきり出ます。

また、大型スピーカーをお持ちのお客さんのところで大音量で鳴らすと非常に良い評価になったりします。別のお客さんの大型スピーカーでは「中高域は完璧」というお墨付きをいただいたくらいですが、マグネシウムコーンの小型2ウェイスピーカーでは冷たい印象が出てしまい、もっと鳴らし込みが必要かなと感じます。逆に、ウッドコーンスピーカーは暖かみのある音がしますので、正確な音とうまくマッチして良い評価になります。

今までのSATRIアンプでは、これらの差をうまく吸収してドライブしていた感じがあり、どんなスピーカーを持ってきてもSATRIアンプらしい音を出してくれるという暗黙の了解みたいなものがありましたが、SHP-5515Mではもっとシビアにスピーカーの癖の部分を出してしまうようです。

SATRI-V11の正確な音をそのまま出そうとすると、それに見合うスピーカーがあると良いのかもしれません。大型のスタジオモニターで鳴らしたらかなり実力を発揮してくれそうな気がします。

 

ただ、SHP-5515MはSATRI-V11だけが乗っているわけではなく、今までのSATRI回路がほぼ全部乗っていて、今も細かい改良をしているようです。ペア¥900,000という値段ですが、試聴したお客さん数名から注文が入っているそうです。いずれにしても、新しいSATRIの音ですので、今後はこの方向の音を目指していくのかな?と思います。

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