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オーディオショップ『試聴屋』オーナーが個人的な日記を書いています。
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OmniMicの日本語化と日本語解説書2
OmniMicE.jpg
OmniMic英語版の画面

OmniMicJ.jpg 
OmniMic付属ソフトを日本語化した画面


通常使う上では問題ない程度に日本語化しています。これを使ってデモ機の16cmウッドコーンスピーカーillusion Graceを測ってみます。
illusionGrace.jpg 
illusion Grace (ウッドコーン+リングツイータ2WAY SP)

illusion-Grace.gif
illusion Grace(ウッドコーンSP)の周波数特性
 

実測で±5dB以内に入る良い特性です。1kHz以下では部屋の反射などがありますので正確ではありませんが、1kHz以上ではほぼフラットに20kHzまで伸びています。これはリングツイータの特性が良いからです。下も5dB落ちで30Hz付近まで出ています。16cmユニットとしては充分良い特性だと思います。次はいよいよJBLツイータの特性を見てみます。
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OmniMicの日本語化と日本語解説書1
OmniMic01.jpg 
OmniMic一式

最近、OminiMic(オムニマイク)という音響測定器を入手して使い始めました。音響測定器としてはCLIOfw(CLIOの最新モデル)がありますが、これは本格的な業務用なので個人で使うには高いです。それにCPUが速くて(2GHz以上)、メモリも充分ないと処理が追い付かなかったりします。

古いノートパソコンでも手軽に使える音響測定器としてはSoundTesterがあります。SoundTesterを使えば大体の特性は測れますが、これには1つ使いにくい点があります。SoundTesterはノートパソコンに内蔵されているサウンド機能を使うのですが、これがたいていの場合高域までフラットに伸びていません。おまけ程度の機能なので「音が出ればいい」程度の特性になっています。ソフトの補正機能を使ってある程度までは補正できるのですが、あまりにも特性が悪いと補正しきれないことがあります。一旦補正データができれば後は便利に使えますが、これがうまくできないと正しい特性が表示されないまま使うことになります。内蔵のサウンド機能は大抵高域が落ちているので、その落ち込み分を見ておいて、表示された特性グラフの表示にその分を足してあげれば良いので、自分だけで使うには大きな支障があるわけではありませんが、測定したグラフを公開するような使い方はできません。内蔵のサウンド機能を使わず、USB経由で外部のサウンド機能を使えば問題なくなりますが、その分装置が大掛かりになりますし、うまく動くまで試行錯誤しないといけなかったりします。

OmniMic(オムニマイク)はユニークな方法で補正データをユーザーが作ったりしなくても正しい特性が簡単に測れるようにできています。しかも安くて持ち運びがとても楽です。何しろマイク本体と付属ケーブル、信号が入ったCD 1枚で全部です。後はそれをつなぐノートパソコンがあればすぐに測れます。ノートパソコンのUSB端子にOmniMicをつなぎ、CDプレーヤーに付属のCDを入れて測定用信号を再生し、測りたいスピーカーから音を出すと結果がグラフになって表示されます。これならPCの操作ができる方なら誰でも簡単に使えると思います。

ただ、OmniMicはアメリカの製品なので、

1.測定用ソフトの表示が全部英語(ソフトのHELPも英語)
2.日本語の解説書がない

点が使いにくいところです。そこで、このソフトの日本語化と使い方の解説書を作りました。これらはうちで独自に作ったものですので、アメリカの販売元に問い合わせても日本語版はありません。現在の英語版ソフトをインストールした後で一部のファイルを日本語対応のものに差し替えれば日本語で使えるようになります。英語版で不都合がない方はアメリカから直接購入していただければ安く済みます。日本語の解説書と日本語対応の測定ソフトで使いたい方はお問い合わせ下さい。英語版のOmniMicとセットでご用意させていただきます。

※なお、日本語対応ソフトは全部を日本語にしたものではなく、不都合がない程度にメニューや画面の英語を日本語に直したものです。

OmniMic02.jpg


OmniMicは専用ケースに入っていて、一式まとめて持ち運びしやすいようになっています。落としても大丈夫なようにクッション入りケースになっていて、衝撃に弱いマイクを保護できます。

OmniMic03.jpg
ノートパソコンの上に置いたところ


青いCDに英語版の測定用ソフトが入っています。黄色のCDに測定用信号が入っていてCDプレーヤーで再生します。

OminiMicをご紹介したのは、JBLの各種ツイータの特性をこれで測り、参考にしていただくためです。下の写真はJBL 2402Hツイータを測っているようすです。

OmniMic04.jpg
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CLIOfwとCLIO STANDARD

CLIO.jpg

 

少し前になりますが、オーディオ測定機のCLIOが新しくなりました。以前はCLIOwinと呼んでいた製品ですが、それが販売終了になり、新しく後継製品に変わりました。


基本的な機能はCLIOwinの頃と変わっていません。無響室に近い周波数測定ができたり、スピーカーの歪みが測れてグラフで見られる優れものです。操作も同様の測定ソフトの中でもわかりやすいので、測定に詳しくない方でも手軽に使えます。


CLIO STANDARDのほうが以前のCLIOwinに似た構成の製品です。PCIスロットに専用のサウンドカードを挿し、それと外部ボックスをつないで使うようになっています。測定マイクを外部ボックスにつなぎ、測定ソフトをパソコンに入れれば測りはじめられます。この製品はPCIスロットがないと使えないので、ノートパソコンでは事実上使えません。小型のデスクトップPCに入れて使うことを想定しています。


CLIOfwのほうは、ノートPCでも使えるように、PCとFireWireケーブル1本で接続できるようにインターフェイスを改良した製品です。それだけでなく、サウンドカードをパソコン側に使うのを止め、外部ボックス側でDSP処理するようにしています。そのため、処理が早く、ノイズにも強くなりました。外見は似ていますが、中身の動作はだいぶ改良されました。サウンドカードを使わなくなったおかげで、パソコン側に付いているサウンド機能とドライバーが喧嘩することもなくなり、すっきりした構成になりました。FireWireが載っていないノートPCでも、PCMCIAスロットに挿せるFireWireカードは安く手に入りますので、それを使えば動きます。


CLIO STANDARDのほうは開発年度がちょっと古いのでソフトウェアがWindows2000とXPまでの対応です。ただCLIOfwに比べて安いのが魅力です。Vistaで使いたいときはCLIOfwが必要になります。Windows 7対応の話はまだ来ていませんが、いずれAudiomaticaもWindows 7正式対応版を出してくると思います。Windows 7はVistaに近いので、そのままでも動きそうな気がします。


お問い合わせ、ご注文、価格などは試聴屋のCLIOページをご覧ください。

試聴屋

CLIOfw、CLIO STANDARDで何ができるかについては本家イタリアAudiomatica社のページをご覧下さい。 各種測定グラフが出ています。

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ARTAで箱振動測定(2)
illusionJuno-Mic.jpg
illusion Juno(ジュノ)の箱振動を測る

今日はSoundTesterでillusion Juno(ジュノ)の箱振動を測ってみます。illusionスピーカーの箱はどれもしっかり補強されています。自作箱とどの程度違うか興味津々でワクワクします。結果はこの通り。

illusionJunoBoxBurstDecay.jpg
illusion Juno(ジュノ)の箱振動モード

全体に残響が少ないのがわかります。これも測定時はマイクに厚手のタオルをかけて測っていますのでスピーカーからの音はマイクにあまり入っていません。


100Hz付近まで箱の響きがすぐに収束してますね。1kHzに少し残響が出ていますがレベルが小さいです。そのほかには目立って長く尾を引く残響がなく、とても良い箱と言えます。箱の補強がよく効いています。きちんと補強するとこうなるということが確認できたのは収穫でした。


今回、3種類のスピーカーの箱鳴きを測ってみましたが、けっこうはっきりした違いが出ました。この差は音を聴いたときにも差として聞こえているはずです。


誰も指摘しませんが、スピーカーを比較・試聴しているときは、意外と箱の差がけっこう大きなウェイトを占めているかもしれません。もしかすると、同じ予算で良い音のスピーカーを作るには、ユニットに高いお金をかけるより、鳴きの少ない箱を作るのにお金をかけたほうが総合的にみて良い結果になるかもしれませんね。ちなみに、illusionスピーカーはユニットも箱も良いので合格です(よね?)。
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ARTAで箱振動測定(1)
Mk2SE-Mic.jpg
CASTRON Mk2SEの箱振動を測る

今までSoundTesterでいろいろな測定をしてきましたが、箱の振動を測ったことがなかったのを思い出したので測ってみました。一体どういう特性になるのか予想が付きません。本来は振動モードを見たいので加速度計を付けて測るのが正しいと思いますが、ないので測定マイクを箱に当てて振動を拾います。スピーカーからの音が入るのを防ぐために、測定時は厚手のタオルでマイクを覆って測っています。

こんな結果が出ました。Burst Decayグラフです。

Mk2SEBOXBurstDecay.jpg
CASTRON Mk2SE BOX - Burst Decay

タオルで覆っているので2kHz以上はあまりレスポンスがありません。ユニットの回り込みは抑えられているようです。1kHzに長く尾を引いている残響が一番目立ちます。次が200Hzあたりです。たぶんこれがこの箱固有の響きと思います。2kHz~3kHzにも少し残響らしい波が出ています。ダクタイル鋳鉄製の箱に特有の響きが出ているようにも見えます。

次は自作の箱にウッドコーンユニットを入れた実験用スピーカーを測ってみます。

Jisaku-Mic.jpg
自作箱の振動測定

この箱は10mm程度の厚さの箱で、内部は特に補強処理をしていません。サイドパネルの中央という一番鳴きやすい位置の振動を拾ってみます。

JisakuBoxBurstDecay1.jpg
自作箱の振動モード

400Hz~1.5kHzあたりまでごちゃごちゃした残響が出ています。これもタオルでマイクを覆ってから測っているので2kHz以上の音はほとんど拾っていません。この箱の響きはけっこう全体の音に影響ありそうです。
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ARTAで距離測定(2)
ALE-Mid2.gif
ALE Mid Horn - impulse Response

ALE P4550ドライバーを使った中音ホーンのインパルスレスポンスです。昨日のウーハーと同じようにトリガーを左端にセットして波形の立ち上がりを見ると、1.542msということになり、マイクから53cmと出ました。測ってみるとホーン開口部から20%くらい中に入ったところでした。これはちょっと出来過ぎです。こういった測定ができなかった時代、ホーンとウーハーの位置合わせは、大体ホーンスロートから8割くらいの位置と言われていました。この話に特に根拠はなさそうです。おそらく経験的にやってみてうまくいったということだと思いますが、たまたまそれに近い結果が出たので信じたくなります。

ALE-Tweeter2.gif
ALE Tweeter - impulse Response

同じくツイーターの距離も同様に測ってみると、1.701ms = 58.5cmでした。これはツイーターのボイスコイル付近に当たります。そのままではグラフが見にくいので縦軸を拡大して見ていますが、生糸の縦線は大きく立ち上がったところにセットした結果ですが。でも、その前に小さく出ている振動部分に合わせるともっと手前ということになります。そうすると、ツイーターのホーン開口部から20%入ったあたりが音源になるかもしれません。

いずれにしてもあまり精度が取れる測定方法ではありませんので、大雑把に見ておいたほうが良いです。もっと精度良く測るにはやはりCLIOが必要のようです。CLIOだと1cm単位まで位置が特定できますので、ユニットの位置合わせをするにはあったほうが良いです。

ちなみにJBLの4343のように、同じバッフル面にコーンユニットとホーンユニットを取り付けた場合、どう見ても音源位置が合っているとは言えません。できればホーンだけでも箱から出して正しい位置にセットし直せばもっと位相の揃った音になるはずです(見た目は悪くなりますが)。
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ARTAで距離測定(1)
ALE-Woofer1.gif
ALE WA-4000ウーハー Impulse Response

ARTAはMLS測定ができるのでとても便利で良いのですが、CLIOと比較すると細かい部分で不満が出ます。その1つが距離測定ができないことです。MLS信号を出してインパルス波形を表示させると、波形が中央に表示されるように調整されて表示されます。それは良いのですが、横軸の絶対値が信用できません。つまり、MLS信号が出てからマイクで信号を拾うまでの時間が出ないんです。

これがわかると何がうれしいかと言うと、ユニットからマイクまでの距離が正確にわかると、マルチアンプシステムでユニットごとの位置合わせが正確にできるからです。CLIOはこれができます。しかも正確に。さすが高いソフトは違います。

ARTAでは無理と思っていましたが、良く見ると、MLS波形より前に小さな波が一発出ています(黄色の矢印の波)。どういうわけでこれが出るのかわかりませんが、この波の位置とMLS信号の立ち上がりまでの距離がマイクとユニットの距離を示しているらしいのです(今回はエール音響のウーハーを測りましたのでMLS信号は大きな山型になっています)。そこで、この小さな波を起点として左端に来るように表示し直してみます。

ALE-Woofer2.gif

先ほどの小さな波(トリガーと呼びます)の突起部分をグラフの左端に来るように移動させると、ちょうどそこが横軸の0になります。ここから黄色のマーカーを移動して、MLSの立ち上がりまでの距離を見ると、画面下にあるように1.020msになります。ユニットの開口部先端からマイクまでの距離はわかりやすいようにちょうど34cmにしましたので、1msと出れば正解のはずです。結果は1.020msなので、35.088cmとなり、開口部より1cm程度奥に入ったあたりが音源とみなせることになります。

ウーハーはおわん型ですから、音源がどこにあるか特定しにくいですが、このようにユニットから出た信号がマイクに届くまでの距離がわかればその位置を音源と特定することができるわけです。

ただ、この測り方では黄色のマーカーの位置がはっきりここと決められないのが難点です。ウーハーの場合、立ち上がりがゆっくりなので、どこからを立ち上がりと見るかによって黄色のマーカーの位置が変わるからです。横軸をもっと拡大できれば良いのですが、これ以上拡大できないので、この画面のままで立ち上がり位置を決めなければなりません。その辺がちょっと不便ですが、大まかな位置合わせには使えるかと思います。
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SoundTesterとARTAを使った測定(3) Step Response
StepResponseAll.gif
illusionスピーカー Step Response

ARTAはStep Response機能もあります。Step Responseというのは、短時間だけ直流を流したとき、ユニットがどういう動きをするかを測る機能です。これを何に使うかと言うと、バックロードホーンやマルチアンプのホーンシステムなどを組んだとき、各ユニットの前後位置を揃えるときに使います。

上のグラフは2ウェイスピーカーなのでツイーターとウーハー両方の動きが見えています。急峻な山がツイーターで、緩やかに盛り上がっている山がウーハーの動きです。黄色の縦線の位置はARTAでは[3.125ms]と表示されている位置です。ツイーターはこの位置から立ち上がっています。ではウーハーはと言うと、もっと後から立ち上がっているように見えます。私と同じく、Step Responseを使って位置合わせをしようとしている方のblogを見ると、両方の波形の頂上の位置を比較して、どちらがどれくらい遅れているかを判断しているようですが、ウーハーはコーンが重いので、動き始める時間が同じだったとしても、ツイーターに比べて立ち上がりに時間がかかるのは当然です。比較するなら、立ち上がりで比較しないとまずいと思うんですが。

波形の立ち上がりで見ても、上のグラフではユニットの位置が少しずれているように見えますので、今度は各ユニットごとに見てみます。

StepResponseTweeter.gif
illusionスピーカー ツイーターのStep Response

ツイーターのみのStep Responseです。illusionスピーカーはバイアンプ対応になっているので、端子のショートバーをはずすだけで個別のユニットだけを鳴らすことができます。そのためこのような測定も簡単にできてしまいます。

StepResponseWoofer.gif
illusionスピーカー ウーハーのStep Response

ウーハーだけのStep Responseはこうなりました。黄色の縦線の位置は全部同じ時間[3.125ms]を指す位置に来るようにしています。グラフで見る限り、ウーハーの立ち上がりはツイーターと同じところから始まっています。一番上の、全帯域をいっしょに測ったグラフでは、2つの波形が合成されてしまっていたのでウーハーの立ち上がり部分がわからなくなっていたようです。

そこで、ツイーターとウーハーを個別に測ったグラフを重ねて表示するとどうなるか見てみます。
グラフィックソフトで2枚のグラフを重ね合わせた結果がこちらです。

StepResponseMixed.gif
illusionスピーカー ツイーター、ウーハー個別Step Responseグラフの重ね合わせ

両方とも黄色の線のところから立ち上がっていて、時間遅れがないのがわかります。これがホーンスピーカーなら、ホーンの長さ分だけ立ち上がりが遅れた波形が観測されるはずです。そのグラフを見ながらホーンの位置を調整すれば、3ウェイでも4ウェイでもうまく調整することができます。

部屋の設置場所の関係で、ホーンを大きく動かせない場合は、デジタルディレイを入れて立ち上がり時間を調整することもできます。

ホーンはスピーカーの中では一番歴史が古いので30~40年前からやっているという方もいらっしゃいますが、当時はこのような測定装置もなく、デジタルディレイというものもありませんでした。真空管アンプとホーンスピーカーしかない状況で、何とかうまく音をまとめるしかなく、苦労されたと思います。

本当は、ホーンは今やればもっと簡単に調整でき、使いこなしも楽なのですが、本格的なホーンを組んでいるのは60歳以上の方が多いです。そういう方は昔ながらの方法で調整して聴いているはずで、おそらく正しい調整にはなっていないと思います。本来はそういう方にこそこのような調整をしてホーンを使いこなしていただくともっと良い音が出るに違いないのですが、デジタルとかパソコンを使うとなると苦手のようで、なかなかこういう調整法は普及していないようです。ならば、今の若い方にもっとホーンを使ってもらえないかなあと思います。ホーンならではの音のヌケ、音離れの良さ、透明感はドーム型ユニットではまず出ません。illusionスピーカーに使っているリング型ツイーターはドーム型とホーン型の中間のような音が魅力です。
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SoundTesterとARTAを使った測定(2) Burst Decay
ARTA-illusionSP-Burst.gif
illusionスピーカー Burst Decay

SoundTesterとARTAを使って見るWaterfallは美しいですが、似たようなグラフにBurst Decayというものがあります。まだマニュアルを詳しく読んでいないので適当ですが、これは新しく追加された機能で、残響と反射の解析に使うというようなことが書いてあります。
Burst decay envelope graphs are new tools for analysis of resonances and reflections.

Waterfallと同じく一番奥が周波数特性を示していて、手前に来るに従って時間が経過しており、何かに当たった反射や残響のレベルを示しているように見えます。2k~10kHzに渡って出ている波形はきれいに連続してますので、バッフルか何か近くにあるものの反射のようです。もっと時間があればこの辺に出ている音圧がどこから来ているか調べるのもおもしろそうですが、今回は見るだけにしておきます。

特性をきれいにしたければ、余計な反射が起きないように対策すべきなのでしょうが、音楽を聴く上ではこういう残響や反射が音楽をきれいに聴かせているのかもしれません。もしそうだとすればあまりいじらない方が良いかもしれませんし、適度に対策した方が良いかもしれません。この辺はテストしながらの対策になると思います。

スピーカーごとにこれらの残響や反射パターンが違ってくると思いますので、このパターンの違いがスピーカーごとの音色の差として聞こえるだろうというのは予想がつきます。ユニットの特性だけでなく、箱の形状や表面処理のしかたでこれらの差が出てきますが、WaterfallやBurst Decayなどのグラフが見られるようになったことによって、今までわからなかったことが当たり前のようにわかる時代になったというのはオーディオマニアにとってとても良いことだと思います。

今までは、測ると言っても個人ではせいぜい周波数特性くらい、それも部屋の暗騒音混みの周波数特性しか測れなかったわけですが、周波数特性だけではわからない差が手軽にわかるようになったことで、また一歩音質を向上させられるようになったのはうれしいことです。
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SoundTesterとARTAを使った測定(1) Waterfall
SoundTesterではMySpeakerというソフトを主に使っていますが、SoundTesterで使えるもう1つのソフトARTAを使って測定してみました。ARTAは英語版のソフトなので少し取っつきにくいところがありますが、CLIOと同じMLS測定ができます。これは実はすごいことです。なぜかと言うと、CLIOと同じ疑似無響室特性が測れるからです。

CLIOは業務用に使える本格的な測定環境装置で、最新版はCLIOfw(FireWire仕様)という製品が出ていますが、価格は測定マイク別で約30万円します。一方、ARTAはシェアウェアで\15,000(金額は為替変動によって変わります)くらいですが、ほとんどの測定は試用版のままで使うことができます。MLS信号を使って測定すると、部屋の暗騒音をある程度除いた疑似無響室特性が測れます。今までCLIOfwを使わないとできなかった疑似無響室特性が、ARTAのおかげで簡単に測れるわけです。

使い勝手は日本語で操作できるMySpeakerのほうが便利ですが、MySpeakerは部屋の中の生活騒音も拾ってしまうので、測定用信号を出している間は声を出したり動き回ったりせず、じっとしていなければなりません(2~5秒くらい)。ARTAを使うときも、うるさくしてはいけませんが、あまり神経質にならなくても良いので多少楽です。

つまり、疑似無響室特性を測りたいときはARTAを使えばCLIOfwがなくてもいいわけで、個人用測定環境としてはかなり高精度な測定環境になります。30万円以上もする測定器を個人で買うのは大変ですが、SoundTesterとARTAなら\59,800ですから、インシュレータやケーブルのようなオーディオ・アクセサリーを買うのと同じような感覚で使えます。

今までは使いやすさ重視でMySpeakerを動かすことが多かったですが、スピーカーの自作や改造にはSoundTesterとARTAを使って特性を測りながら作っていけますので、メーカー品に負けない特性のスピーカーが作れるようになります。

スピーカーを自作しない方でも、前回までの測定ではっきりしたように、スピーカーの設置場所でかなり音が変化しますので、置き場所に制約があったとしてもできるだけ良い特性になる場所を見つけてその位置にスピーカーを置けば、良い特性で鳴ってくれます。

一般に、スピーカーがうまく鳴らないのは、部屋にうまく合う位置にセットする作業を耳だけで聴いて適当な位置に置いているからです。耳は、相対的な差や音色を判別するには良いですが、できるだけフラットな特性になるように追い込むときにはあまりあてになりません。たとえば、耳だけでグライコを調整してフラットになるように調整できるかと言えばまず無理でしょう。部屋の影響で生じる大きなピークやディップは測れば簡単にわかりますから、それらの影響がない位置にセットし、その後に音色を調整すればずっと簡単に良い音にチューニングできます。

スピーカーはどこに置いても音が出てしまうため、つい安易に考えて適当なところに設置してしまいますが、それがかえって良い音から遠ざかることになってしまっていることになかなか気付きません。何かのきっかけで特性を測る機会があれば、目に見える形で状態がわかるので「直そう」という気になりますが、音は目で見えませんから、なかなか気付かないんですね。気付かないまま何年も「いい音が出ない」といってアンプやCDプレーヤーを換えたりするくらいなら、最初から測って調整したほうがよほど良い音への近道と思うのですが、オーディオ評論家の方々もなかなかこういうことは言わないので、どうして言わないんだろう?と思ったりします。

前置きが長くなりましたが、ARTAで測定した周波数特性です。

ARTA-illusionSP-Freq.gif
ARTAによるillusionスピーカーの周波数特性

わかりやすいように、変動幅の上下に色の帯を付けました。中央の横線の上下幅を見ると大体±3~4dBに収まっています。無響室で測るとほぼこれと同じようになるはずです。±3~4dBという特性は、現在販売されているスピーカーの中でもけっこう良いほうです。±5dB以上のスピーカーもけっこうありますので。

ARTAは周波数特性だけでなく、音が出てから少し時間が経ったときの音のようすも見ることができます。ウォーターフォール(Watefall)とか、CSDグラフという図です。

ARTA-illusionSP-CSD.gif
illusionスピーカーのWaterfall(CSD)グラフ

一番上の赤い線が周波数特性と同じものです。そこから手前に向けて時間が経過するとともに、スピーカーから出た音がどう変化するか(減衰するか)を表示しています。理想的には、短い時間で全帯域の振幅が0になるのが良いのですが、そういうスピーカーはまずありません。一般的には、スピーカーのバッフルやサイド面に当たって反射した音や、近くの壁やテーブルなどに当たって反射した音が残響として残るため、このようなグラフになります。一般に、低域は減衰しにくいので時間がたってもまだけっこう残っています。10kHz以上の高域は早い段階できれいに減衰して見えなくなっています。2k~10kHzの間の帯域でけっこう大きな残響が残っています。これがバッフル面などでの反射の影響と思われます。本当にそうかどうかは、バッフル面にフェルトや皮などを貼ってもう一度測り、その差を比較してみればわかります。

このようにして中域の残響レベルが下げられれば余計な音がしなくなりますから、音楽をかけてもあまりうるささを感じない音になります。ツイーター周辺に吸音性の材料を貼っているスピーカーがありますが、それはこのような効果を狙っているからです。音を聴かなくても、目で見て音質を向上させる方法もあることがおわかりいただければ幸いです。

このようなスピーカーのチューニング法があることはあまり知られていないと思います。満足できる音が出ないとついアンプやCDプレーヤーを交換することを考えてしまいますが、まずどういう音がスピーカーから出ているか把握してからでも遅くはないと思います。
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B&K 4231
BandK4231.jpg
B&K 4231

これは何だ?と思われると思います。私も実物を見たのは初めてです。これは、音響測定用マイクに、基準となる音圧の音波を出す標準信号発生器です。中央の穴の部分に測定用マイクを差し込んで音を出すと、基準となる1kHzの音が出ます。それをマイクが拾って出てきた出力が規定の音圧になるように測定器を調整すれば校正完了です。この4231は、94dBと114dB 1kHz ±0.2dBという精度で出ます。

左に単三乾電池が写っていますので大体の大きさがわかると思いますが5cm角くらいのサイズです。それほど頻繁に使うものではありませんが、基準を決めるときや、測定器が正常に動いているか確認するときには必要なものなので、あったほうがいいのですが、イギリス製なので14万円くらいします。B&Kと言えばこういう基準になる装置を作っている有名メーカーですから高くてもしかたがないのかも知れません。

ちなみに、CLIOを使うときにはこれはなくても使えます。CLIOはMIC-01という専用マイクと組み合わせてキャリブレーションを取った時点で調整が完了してしまいますので、これを使う必要はないです。

SoundTesterで使うMySpeakerというソフトは絶対レベルが表示できませんが、そのときはこの4231ではなく、市販の騒音計を持っていればそれで絶対音圧がわかります。
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SoundTesterに最適なUSBアダプター発見
UCA202.jpg
SoundTester用USBアダプター

SoundTesterは私が知る限り、一番安く、オーディオ測定に便利な装置です。ところがこのSoundTesterにも欠点がありました。CLIOfwなど他の測定器でもそうですが、測定器というのは最初にキャリブレーションという作業を行わなければなりません。簡単に言うと、測定器を正しく動かすための基準合わせですね。

一度できてしまえば難しくないのですが、最初にやるときは勝手がわかりませんから難しいわけです。SoundTesterの場合、ST-01をLOOPBACKモード(折り返しモード)にして、MySpeakerという測定ソフトで周波数特性を測ったときフラットになるのが正しい状態です。SoundTesterでは、写真のST-01というボックスと、パソコンに内蔵されているサウンド機能を連携させて使いますが、パソコンのサウンド機能の周波数特性がフラットになっていないと困ったことになります。周波数特性がフラットかどうかは、パソコンを買うときにはまずわかりません。買う前にメーカーに確認すれば良いのですが、カタログを見ても載っていないことが多いです。デスクトップパソコンならサウンドカードを交換することもできますが、SoundTesterはノートパソコンで使うと便利なので、やはりノートパソコンで使いたいところです。

ところがノートパソコンのサウンド機能はたいていフラットになっていません。MIC端子はわざとそうしているのか、高域と低域が落としてあります。会議や会話を録音することを想定していて、声以外の音を拾わないようになっているのかも知れませんが、これでは測定用には使えません。LINE IN端子は比較的フラットになっていることが多いですが、これも確認してみるまでわかりません。で、どちらもフラットでなかったら、MySpeakerの補正ファイルをいじって補正をかけた状態でフラットに表示されるようにするのですが、この作業が大変です。

このようなとき、ノートパソコンの内蔵サウンド機能を使わず、フラットな特性を持つUSBアダプターを経由してパソコンと音声信号をやりとりできれば解決です。USB端子なら最近のノートパソコンにはほとんど付いています。ST-01 ←→ USBアダプター ←→ ノートパソコンという接続ができればOKです。

安いUSBアタプターはいくつか出ていますので最初に1つ買って試してみました。PLANEX PL-US35APというモデルで、MIC端子とPHONE端子が付いています。Skype用かと思います。しかしこれは残念ながらフラットな特性ではありませんでした。次に「響音DIGI」という別のUSBアダプターを買ってみましたがこれもダメでした。安いのはダメだということで1万円近くするEDIROL UA-1EXを買ってみました。これはカタログでもフラットな特性を保証していますので特性はフラットでしたが、どういうわけか出力レベルが低く、手持ちのノートパソコンとSoundTesterでは信号レベルが上げられず使えませんでした。これ以上高いUSBアダプターとなると、性能が良くてもあまり使いたくありません。SoundTesterの価格にUSBアダプターの価格が追加されてしまうからです。

まだ他に安くてフラットな特性のUSBアダプターがあるはずとあちこち探したところ、それらしいものが見つかりました。ベリンガーのUCA202というUSBアダプターです。ベリンガーと言えば、安い音響機器を多数揃えていることで有名なメーカーですが、安い分、性能も値段相応なメーカーです。今度もダメな可能性が高かったですが、他に良さそうなものもなかったのであまり期待しないで買ってみたところ、これが大当たり。安い製品にも関わらず測ってみるとほぼフラットです。信号レベルも使えるレベルまで出ています。取扱説明書を見ると20~20kHzまでほぼフラットな特性を保証しています。価格も5千円以下と手頃です。

UCA202があればLOOPBACKモードではほぼ無調整でSoundTesterが使えます。マイクを使って実際に測定するときはマイクの補正データが既にありますので、それを呼び出して使えば良いということで、SoundTesterがさらに使いやすくなりました。

それにしても、USBアダプターというのはフラットになっていないものが多いのがわかって意外でした。調べてみるまで、当たり前のようにフラットな特性のはずと思い込んでいました。わざわざ特性を変えるほうが手間がかかると思うんですが、どうしてそういう作り方をするのかわかりません。
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