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誰でもわかるSATRI回路の動作原理(2)

前回の説明で、一般のアンプとSATRI回路の増幅のしくみが全く違うもので、SATRI回路は原理的にリニアな増幅ができる回路ということがわかっていただけたと思います。ところがこの説明はまだ半分です。

 

実はSATRI回路はもう一工夫しています。カレントミラーの出力に電流が出てきたとしても、電圧に変換しないとその後の終段バッファに入力できません。電流を電圧に変換するには、電流を抵抗に通せば良いのですが、電流をロスなく電圧に変換するには、電流源ができるだけ高いインピーダンスになっていて、逆に、負荷になる抵抗のほうはできるだけ低いインピーダンスになっていないと電流が流れません。

 

インピーダンスの高い電流源から抵抗側を見ると、電流源のインピーダンスが非常に高いので、少しくらいの抵抗値なら、まるでショートしているかのように低く見えます。そこで、電流が一斉に抵抗に流れていきます。SATRIアンプではこの抵抗がボリューム(またはアッテネーター)になります。SATRIアンプでは、この抵抗値は最大10kΩくらいになりますが、SATRI-ICの出力インピーダンスは100MΩあります。100MΩから見れば10kΩはわずか1/10000にしかなりませんので十分小さい値です。

 

カレントミラー回路で、かつ、出力インピーダンスを大きく上げられるような回路は?というと、トランスインピーダンス回路というものがあります。トランスインピーダンス回路とは、文字通り"インピーダンスを変換する回路"です。入力に入って来た低いインピーダンスの電流をただ単純に高いインピーダンスに変換して出力に出します。

 

この部分をIC化したのがSATRI-ICです。前回説明した追加の抵抗はICの外側に付ける形にします。そのほうが後でゲインを変更しやすいからです。

 

ここまでの説明を図にするとこうなります。


SATRI-ICは単にインピーダンス変換だけするようにしておき、外付けの抵抗(R1,R2)をIC内のカレントミラー回路につないでIC内の増幅度を決定し、出力に出てきた高インピーダンスの電流を抵抗(ボリューム)に流して電圧に変換した後、出力バッファに渡せば、スピーカーが鳴らせます。ボリュームに使う抵抗は、電流伝送の点からみれば0Ωが理想ですが、電流源のインピーダンスは100MΩもありますので、10KΩ以下なら十分小さいです。

 

ここでもう一度上の図を見てみましょう。SATRI-ICの部分だけ見るとIC自体はインピーダンス変換しかしていないので増幅回路のようには見えません。変換しかしていない回路だから色付けが少ないとも言えます。

 

増幅に関わっているのはSATRI-ICの上に付いている2本の抵抗ですが「抵抗で増幅している」という言い方も一般的にはちょっと変です。抵抗は増幅器ではないからです。2本の抵抗の比で増幅しているので、「抵抗(比)で増幅している」と言えばより正確ですが、このような言い方でも上の原理がわかっていなければ理解されにくいでしょう。増幅と言えば普通は「真空管で増幅している」とか「トランジスタで増幅している」と言うのが常識です。抵抗は増幅器ではないので、いきなりこのようなことを言うと頭がおかしいと思われますので、意味がわかっている人以外にはあまり言わないほうがいいかも知れません。

 

また、上の説明で明らかになったように、SATRIアンプのボリュームはアンプの中央部にあります(市販のアンプではアンプ部の先頭に付いています)。SATRIアンプのボリュームが音質に大きく関係している理由は、この抵抗に全ての音楽信号(電流)を流すという使い方をしているからです。質の悪い抵抗を使ってしまうと、この抵抗に電流が流れたときに音質が劣化してしまいます。高価な抵抗アッテネーターが必要になるのも、ここで音質を落としたくないためということがわかっていただけたと思います。

 

SATRIアンプをグレードアップするとき、まず最初にボリュームを抵抗アッテネータに交換するのが良いのはこのためです。

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