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新SATRI回路 SATRI-V11(3)
SATRIV11Circuit.jpg
SATRI-V11の概念回路

これがSATRI-V11の概念回路です。一般のアンプは左のSEPP回路が基本で、AB級出力を得ています。このままBIASを深く掛けるとA級アンプになります。SATRIアンプもつい数年前までこの回路でした。SATRI-V6.2という回路が2年くらい前に出ましたが、SEPPを改良する回路としてこのV6.2が最初に登場しました。SEPP回路はそれ自体長い間普通に使われてきた回路ですので、特にこの回路に問題があるとは考えられていませんでした。

SATRI-ICはこのSEPPより前の部分に使われていて、その部分の改良が一段落した後、この終段部分に注目して改良し始めたのがV6.2です。何をやっているかと言うと、両方のトランジスタにかかる電圧変動を安定化させようとする回路です。

SEPPではNチャンネルとPチャンネルトランジスタをいっしょにして電圧をかけていますが、Nチャンネルで波形のプラス側を増幅し、Pチャンネルでマイナス側の信号を増幅するとき、それぞれ交互に電流が消費されます。プラス側に電流が流れると電流がそちらに集中しますので、反対側のトランジスタのBIASがその影響を受けて変動します。マイナス側の電流が増えたときはプラス側のBIASが変動を受けます。電源が弱い場合はさらに変動が大きくなります。

BIASが変動すると何が問題かと言うと、BIASが変動すればするほどその影響で出力波形も歪むからです。

そこで、これらの変動が短時間で起こる点に注目して、短時間の変動についてはBIAS量を変えないようにした回路を追加したのがV6.2です。SATRI-V6.2は汎用のSEPPならどれにでも適用できますので、実はSATRIに限定した技術ではなく、多くの市販アンプに使える技術です。このことはほとんど知られていないと思います。ただ、実際に市販アンプを持ち込まれ、V6.2の取り付けを依頼されてもお引き受けできませんので、V6.2の音をお聞きになりたいときはどれかのSATRIアンプをお使いください。理由は、市販のアンプは基本がSEPPでも、別の付加回路が付いている可能性があるため、そのアンプの回路を調べるところから始めないと危ないからです。また、製造したメーカー以外で改造された場合、製造メーカーは保証しなくなります。このようなわけで、SATRIアンプ以外はV6.2改造を行わないことにしています。SATRIアンプでもV6.2が開発される以前の製品には搭載できないことがあります。現在販売されている製品にはほぼ全てV6.2が搭載されています。

ここから本題のSATRI-V11です。SATRI-V11はV6.2の概念を更に推し進めた発展型と言えます。基本的な考え方はV6.2と同じく、BIASがさらに変動しにくくなるようにするにはどうするかという方向で考案された回路です。

普通のSEPPがNチャンネル/Pチャンネルを両方ひとまとめにして電圧をかけているのに対し、SATRI-V11ではそれぞれ独立して電圧をかけるように変更し、さらに定電流回路を追加して、一方のトランジスタに大きな電流が流れても、もう一方のトランジスタにはその影響が及ばないようになっています。このようにすることで、電源変動に強くなり、お互いのトランジスタが相互に影響し合うことがなくなります。

私はこれまでのオーディオ経験から、「どういうところであれ、できるだけモノラル化した方が音が良くなる」と考えています。アンプならステレオアンプよりモノラルアンプのほうが左右チャンネルのクロストークが0になりますし、電源も左右で影響し合うことがないので好ましい結果になることが多いですし、スピーカーならウーハー、ツイーターそれぞれに対して1台のアンプをつなぐのが最も音が良くなります。今回のSATRI-V11も、トランジスタ1個に対して1個の電源を割り当てるという考え方が気に入りました。その結果、(どのような相互干渉かはよくわかりませんが)トランジスタ相互の影響が少なくなり、聞いただけではっきりわかる正確な増幅ができるようになったのではないかと思います。

それから、SEPPではトランジスタに音声信号とBIAS電流の両方が流れますが、これもBIASと音声信号が分離できるならその方が好ましいわけです。SATRI-V11ではその点も解決した(らしい)です。

さて、上のSATRI-V11の概念回路ですが、実際この通りに回路を組んでも動きません。これは概念を示したに過ぎないので、実際に意図した通りに動作させるにはもっとたくさんの付加回路が必要になります。SHP-5515Mの値段が高いのは、この付加回路の規模が大きいことと、定電流を作る回路も出力トランジスタなみに発熱するため、電源と放熱器を小さくすることができないからです。後は、モノラル構成にしたのでケースが2個になったなどの理由で、アンプを2台買うのと同じコストになってしまうということです。

でも、実際にモノラルアンプを聞くとSATRI-V11が入っていなくてもステレオアンプに比べて音が良くなるのがわかりますから、ステレオのSATRIアンプをお使いの方には、できればもう1台使ってモノラル x 2台の構成で鳴らしていただきたいなあと思います。そうすればもっと良い音が出ますので。


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