1. 無料アクセス解析
オーディオショップ『試聴屋』オーナーが個人的な日記を書いています。
page top
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
自宅試聴の誤解

SATRIアンプを自宅試聴で借りたお客さんで、ときどき「音が悪い」と言う感想を寄せてくる方がいらっしゃいます。もともとアンプは単体で音が出るものではなく、他の機器との組み合わせで音が出るものです。それらの総合で出た音に違和感があったとき、今入れ替えたSATRIアンプが悪いと思ってしまうのは一見正しいように思えますが、たいていの場合、SATRIアンプ以外の機器の調整やセッティング、音色が合っていないことが多いです。というのは、秋葉原で毎日SATRIアンプの音を聞いていますので、組み合わせるスピーカーやセッティング、ケーブルなどでどのように音が変わるかわかっているからです。もしSATRIアンプの音が本当に悪かったとしたら、どのスピーカーと組み合わせても良い音が出るはずはありませんよね。なので、貸し出したアンプの音が悪いと言われても、アンプが壊れていない限り、それほど変な音が出るはずはないんですね。今までの経験からしても、そんなに変な音がしていたら試聴や実験のために何時間も聴き続けられるはずがありませんし、試聴して購入するお客さんもいないはずです。


そんなわけで、音が悪いと言われたときは、大抵の場合、単に「好みに合わない音が出た」というだけだと思っています。SATRIアンプで高能率のホーンスピーカーで鳴らしたときと、能率の低いコーン型スピーカーで鳴らしたときでは出てくる音はかなり違います。同じアンプでもスピーカーが違うだけで音の印象は相当違ってきます。でも、たいていの場合、お客さんは1組のスピーカーでしか試聴しません。2組持っていたとしても、主にメインで使っているスピーカーで試聴します。そのとき、その人の好みの音で鳴れば良いですが、そうでなかったとき、スピーカーのセッティングを調整し直したり、ケーブルを変えてみたり、何日かじっくり鳴らし込むといった「良く鳴らすための努力」をしないまま、わかったつもりですぐ結論を出してしまうというのはその人にとっても損ではないかなと思います。


SATRIアンプは全段無帰還で、増幅方式も特殊です。特に低音の出方は他のアンプと大きく異なります(低音以外も違いますが)。若い方ですと、余計な先入観がないので相談されたとき少しアドバイスしますと、その通りにやってみて今まで聴いたことがない音が出て良くなったという場合があります。しかし、この道何十年という方ですと、自分のスタイルや音に対する感覚が固まってしまっているせいか、一度ダメと思い込んでしまうと一切の話を受け付けなくなってしまうようです。この商売を長くやってますとその辺の感覚がだんだんわかってきまして、そういう方にはあまり余計なことは言わないようにしています。そういう方は自分のやり方で頑張られると思うので、うちとは縁がなかったと考えることにしています。


個人的には今までアキュフェーズやマークレビンソンといった市販の高級アンプを使ってきましたが、現在それらを使っていないことから見ても、私にとってSATRIアンプの優位性は明らかです。市販のアンプも短い時間聞くだけなら各アンプの良いところを味わうこともできますが、オーディオはそう甘くありません。


オーディオ機器の本当の価値は、自分で購入してそのアンプを毎日聴いたときにはっきりわかります。


オーディオ機器は、買って最初の1週間くらいは手に入れた満足感と、それまでと違う新しい音が出るうれしさのせいで毎日楽しく聴けます。その後、だんだんその音に慣れてきて、最初の感動がなくなっていきます。半年過ぎる頃になると、気になる音が耳につくようになります。アンプの個性とか癖の部分です。最初はそれに気がつかないふりをして聞いていますが、そのうちだんだん我慢できなくなってきます。そして、1年過ぎる頃になると雑誌の新製品紹介記事を熱心に見るようになります。評判がいいアンプを聴きに行き、気に入ったものが見つかると買い換えを考え始めます。買い換える機種は、たいていの場合それまで使っていたアンプより高い機種になります。何しろ今よりもっといい音を求めているわけですから、今より安い機種は最初から考えません。このようにして何台ものアンプを買い換えました。最終的には1台400~800万円くらいする高級モデルしか作らないメーカー FM Acousticしか買い換え候補がなくなりました。

FM711Mk2.jpg

「もうFM Acousticしかない」と考え、買うつもりでしたが、試聴させてもらったところ満足できる音ではなかったため買うものがなくなってしまいました。そのときたまたまSATRIアンプと出会い、試しに聴いてみたところ、1週間過ぎても不満が出ず、1ヶ月経ってもアンプを換えたいと思わなかったことから「もしかしてこれは本物なのでは?」と思い始めたというわけです。あれからもう20年近く経ってしまいましたが、今でもSATRIアンプの音を長時間聴いても音に飽きるとか、耳について聞きたくなくなるということはありません。今のSATRI回路は当時よりだいぶ変わってしまいましたが、それでも「音に飽きずに長く使える」という点だけは変わっていません。だからこそ今でも使っているわけです。


SATRIアンプも、内部はいろいろいじれますから、自分で購入したSATRIアンプ内のケーブルや部品など細かい点は好みの音になるようにいじって音を変えても良いですが、SATRIアンプ自体の基本的な良さを把握しないまま「悪い音」で済ませてしまうようでは本質が見えていないのだなと思ってしまいます。


その人にとって一番良い装置は「今自分が使っている装置」です。アンプでもスピーカーでもアクセサリーでも、新しく手に入れたものを入れてみたり、元に戻したり、いろいろ組み合わせたりして現在まで生き残った機器が一番良い装置です。そして、メインの装置から追い出されて使わなくなったものがその人にとって良くない装置です。いくら市場価値が高いものでも、なんとなく使わなくなったものは、今使っているものより良くない装置です。私にとっては、幸いなことにSATRIアンプは現在でもメインの装置からはずれていません。交換したいと思うアンプもまだ出てきていません。交換候補は今までいくつもあり、同時に鳴らして比較しますが、今まで生き残れずどこかに行ってしまいました。どこか進化論に似ていますね。

 

結局、最後まで生き残ったものが最強というわけです。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL

© オーディオblog. all rights reserved.
まとめ
Page top
FC2 BLOG
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。